“artist”と“activist”

12/5(日)開催の関西上映先行イベント“shellsong~耳よ、貝のように歌え”の
スペシャルゲストのもう一人は、倉田めばさんです。
倉田めばさんは、「大阪ダルク」代表として、薬物依存者のピア・サポートに務めておられます。
長い時間、薬物に依存してきた倉田めばさんが、サポートする立場にまわったきっかけを少し紹介させてもらいます。
倉田めばさんは、大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ専門学校大阪、つまり今回の会場です!)を卒業なされた後、ヌードカメラマンとして活動を開始されました。元々は、「アーティスト」だったのです。それがある事件とある人間との出会いを通じて、倉田さんを「アクティヴィスト」へと導くようになりました。一旦はカメラを置き、ゼロからの出発から1993年に「大阪ダルク」を立ち上げるのに到ったのです。
「アーティスト」と「アクティヴィスト」という言葉は対峙するものではありません。むしろ、その二つが交差する瞬間にこそ、人が発するエネルギーが他者を動かすと言ってもよいのかもしれません。
最近になって倉田めばさんは詩作を再開され、パフォーマンスという分野にも挑戦されています。
ある意味では「アクティヴィスト」から「アーティスト」へ戻ったようにも見えますが、もはやめばさんのなかで垣根はなくなっているのだとも感じられます。地続きの表現として、過去と今と未来を見据えられているのが倉田めばさんの声から伝わるでしょう。
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今回のイベント”shellsong”は、映画を出発点としたイベントですが、普段映画にあまり接することがないような方にも楽しんでいただける場としていきます。誰しもが持っている「アーティスト」と「アクティヴィスト」という二つの顔を発見する機会を創っていきたいと考えています。
井川 拓