12/5(日)開催の映画『デルタ 小川国夫原作オムニバス』大阪公開プレイベント、
タイトルは、“shellsong~耳よ、貝のように歌え”。
由来は、映画の原作者である小川国夫さんの処女作品集『アポロンの島』収録の
短編「貝の声」だそうです。
この表紙は1978年発行の新潮文庫版。
これまで幾度となく再刊されてきた『アポロンの島』というこの本は、
もともとは1957年、私家版(自主制作)としてつくられた本です。
発行者は、同人雑誌『青銅時代』の仲間で、小川さんにとって一番の理解者だった
友人・丹羽正さんでした。
今年の春、東京都目黒区にある日本近代文学館で、その私家版『アポロンの島』を手にし、
閲覧する機会に恵まれましたが、控えめながら存在感のある装丁で、本文も読みやすくて、
何といえばいいでしょうか、全体に現代的なデザインを感じました。
現在は、講談社文芸文庫で入手可能です。
下窪俊哉